お知らせ

令和6年度 第2Q開講科目「海上輸送技術特論」について(必ず履修前に確認してください)

神戸大学海事科学研究科 笹 健児

 

「海上輸送技術特論」の講義について、一昨年度から講義方針および単位数を大きく変更しました。一部で「レポートがしんどい」とのコメントもありますが、全体的には改善効果が見られると判断しますので、継続します。昨年度の授業アンケートにて、講義内容を確認せずに履修し、自分の期待していた授業内容ではなかったとのクレームをした人がいました。履修を検討している人は本内容を必ず熟読し、後で「そんな話聞いていない」「想像していた内容と違う」ということのないよう、履修前に十分、確認・検討してください。なお本科目は必修ではないため、自分の期待している内容でなければ無理して履修する必要はないことも確認しておきます。

 

(1)講義スケジュール

昨年度と同様、講義内容の集約と集中を図るため9コマ・1単位(3日間の集中講義)で実施します。講義方式は対面式(大阪大学・中之島センター)であり、講義テーマは以下の順で実施します。

  • 海上輸送と舶用技術(日本舶用工業会、1コマ、6/27)
  • 船舶運航における安全管理体制の取り組みと関連技術(川崎汽船、1コマ、6/27)
  • 船舶用推進機器の概要と最新技術(ナカシマプロペラ、1コマ、6/27)
  • 海運産業概説と日本海運の変遷(日本郵船、1コマ、7/4)
  • 舶用ディーゼル機関とGHG排出削減の取組(IHI原動機、1コマ、7/4)
  • 舶用ディーゼル機関の高度船舶管理システム(阪神内燃機工業、1コマ、7/4)
  • 海運業の直面する問題―世界経済と日本海運―(商船三井、1コマ、7/11)
  • 航海計器・通信機器の概要とIoT化の取組(古野電気、1コマ、7/11)
  • 配電盤・制御機器の概要と最新技術(JRCS、1コマ、7/11)

 

(2)講義テーマと学習目標の明確化

本講義では、海運企業による⑴海運経営および安全運航、舶用工業企業による⑵舶用技術の概略とGHG排出削減から見たエンジン技術⑶航海計器、推進機器、配電盤などパーツ技術の3テーマを学習・習得することを目的とします。

 

(3)事前レポートおよび本レポートの提出について

以前の講義までの反省から、事前レポートと本レポートを提出してもらう形を導入しました。事前レポートの目的として、講義内容の予習(学生側)と学生が興味を持つ内容の把握(講師側)の2点であり、講義を聞いたのち、本レポートをまとめてもらう形にしました。一昨年度、昨年度の実施にて、特に講師側より授業準備に非常に有効であったと好評でした。今年度は以下のように事前レポートおよび本レポートの提出期限を設定します。

 

(事前レポートの流れ)

・講義ごとの章立てと内容を6月3日(月)に公開(履修者へメールで送信)

・講義テーマごとに「その講義にて興味を持っている内容、聞きたい内容」を記載の上、提出(毎週の講義3コマ分について、A4サイズ1枚で記載する)、3日間の講義ですので、9講義についてA4サイズ3枚を6月14日(金)までに提出

大阪大学、大阪公立大学の受講者:メール (kenji.sasa.kansai.alliance@gmail.com)で提出

神戸大学の受講者:BEEF+にて提出(海上輸送技術特論のページ)

・提出された事前レポートを担当講師に送付し、当日の講義内容に対する参考としていただきます。

 

(本レポートの流れ)

・各講義資料は講義前1週間〜数日前を目処にメールにて配布しますので、必ず確認してください

・本レポートを講義後1週間後までに提出

大阪大学、大阪公立大学の受講者:メール (kenji.sasa.kansai.alliance@gmail.com)で提出

神戸大学の受講者:BEEF+にて提出(海上輸送技術特論のページ)

レポート評価は以下の2点を重視します。

(1)問題が適切に解答されているか(授業内容をしっかり聞いて理解しているか)

(2)自分の考えを論理的に説明できているか

以前は2-3行だけしか記述しない、ネット上の資料をコピペしただけのものなど、自分で考えた跡が全く見られないレポートも散見されましたが、授業見直し後はこれが改善されてきたように感じます。上記の2点が読み取れない貧弱なレポート内容の場合、厳しい成績評価となります

 

(欠席対応について)

・講義は3日間の集中授業にて実施することから、基本的には全出席が単位認定の前提条件となります

・全出席をする予定であったが、予測不能かつ突発的なやむを得ぬ欠席理由として、

 コロナやインフルエンザ等、伝染性の病気にて発熱した(他の学生に感染のおそれがある)

 親族に不幸があった、その他緊急の事由

等の場合、それらを証明するもの(医師の診断書等)を提示してください。1回に限り、認めます(2回以上生じた場合、次年度の履修に回ってください)。本授業は各企業から講師を迎えていること、中之島センターで実施する等の事情より、補講は行いません。配布した講義資料を自学し、課題を提出してください。

・国際学会への参加、国内学会への発表、その他、年度初めの履修時点で出席できないことが予め分かっている予定があり、本講義の履修を希望する場合、今年度ではなく、次年度の履修としてください

・企業のインターンシップは就職活動の一環とみなせますので、この場合も次年度の履修が望ましいと考えます(どちらを優先するかは履修者が選択してください)

 

(最後に履修するかどうかを決断するにあたり)

各企業から来ていただく講師の方々は日常業務が多忙な中、この講義のために大きな労力を使い講義の準備をお願いしています。企業から来ていただく講師ゆえ教えるプロではなく、不十分な点はあるかもしれませんが、ほぼボランティアとして遠隔地から丸1日を使ってご協力いただいています。一昨年度の講義におきまして、ある講師から一部学生の受講態度を問題視する声がまだ残念ながら寄せられました。受講者も講師も貴重な時間を使って集まるわけですから、両者にとって講義が充実かつ有益となるようにしたいと考え、上記の方針を継続実施します。ある先生の言葉を借りますと「いい授業は講師だけで作るのでなく、講師と聞き手の積極的な相互参加によって作るもの」と思います。以上を十分に理解した上で履修に関しての意思決定をしてください。

以   上