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新聞記事:NEDO事業に採択された柴原研究室が共同開発している「従来法での計測不能領域を革新的手法により計測可能にする産業プロセス用センサー」が日本経済新聞電子版に掲載されました。

2019/9/17
『電中研・中国電力など、超高温設備の革新的オンライン監視システムの技術開発を開始』

超高温設備の革新的オンライン監視システムの技術開発を開始

~「従来法での計測不能領域を革新的手法により計測可能にする産業プロセス用センサー」の開発がNEDO エネルギー・環境新技術先導研究プログラムに採択~

■ポイント

・「従来法での計測不能領域を革新的手法により計測可能にする産業プロセス用センサー」の開発をNEDOの委託事業で実施

・次世代火力発電プラントの配管や化学プラントの反応装置などの750℃以上の高温下における温度・ひずみ等の状態監視・解析技術を開発

・将来的にデジタル空間でプラント状態を再現できるようにすることで、溶接部分にかかる応力分布といった重要な情報に容易に仮想空間上でアクセスすることが可能に

■概要

一般財団法人電力中央研究所(理事長:松浦昌則、本部:東京都千代田区、以下、電中研)、中国電力株式会社(代表取締役 社長執行役員:清水希茂、本社:広島県広島市、以下、中国電力)、北海道電力株式会社(取締役社長:藤井裕、本店:北海道札幌市、以下、北海道電力)、公立大学法人大阪 大阪府立大学(学長:辰巳砂昌弘、本部:大阪府堺市、以下、大阪府立大)、沖電気工業株式会社(代表取締役社長:鎌上信也、本社:東京都港区、以下、OKI)、非破壊検査株式会社(代表取締役社長:山口多賀幸、大阪府大阪市、以下、非破壊検査)は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の委託事業である「エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」の研究開発項目の一つである「従来法での計測不能領域を革新的手法により計測可能にする産業プロセス用センサー」の開発を実施します。本研究開発では、次世代火力発電プラントの配管や化学プラントの反応装置などの750℃以上の高温下における温度・ひずみ・AE(*1)計測技術や、光ファイバセンサー用リアルタイム信号処理技術、実構造物の高速クリープ解析技術の開発を行います。なお、本委託事業は7月24日付で採択され、現在契約手続きを進めております。

1.背景

わが国で技術開発が進められている次世代火力発電プラント(*2)は、再生可能エネルギーの出力変動を調整する役割が期待されていますが、起動停止時や負荷変動時に生じる異常過熱によって伝熱管クリープ破断(*3)やエネルギーロスが生じやすくなるため、異常過熱箇所をリアルタイムで特定することが望まれています。また、化学プラントのような高温反応装置では、不均一な化学反応によるホットスポット(*4)の検出や、ノズル溶接部に発生するき裂の監視が望まれています。

しかしながら既存の高温用センサーは、計測精度、空間分解能、耐久性が低く、一般的なクリープ解析手法は計算に長時間を要することから、超高温で稼動する産業設備の温度分布、ひずみ分布、き裂のオンライン監視とクリープ解析にもとづくリアルタイムでの余寿命評価は不可能でした。

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